Mikeの投資ブログ

子育てパパが1億円を貯め、経済的自由を達成するまでをつづります

【衝撃】個人投資家が勝てない本当の理由 │ 「貯蓄から投資へ」の危険

一日一回バナークリックで応援いただけると嬉しいです!

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

今回、珍しいスタンスの書籍をご紹介します。渡辺信一氏の『個人投資家がマーケットで勝てない本当の理由』です。著者は、保険会社、外資証券、日系信託銀行を経て、大学教授となっている学者です。

本書は、「貯蓄から投資へ」という風潮に対して誤った方向だと主張しています。理由は、情報格差、教育の不十分を含む今の市場の構造からして、個人投資家が不利で、自己責任の下で投資させるにはリスクが大きいからといいます。そこで本書では、個人投資家が投資をする場合に儲からない理由を、ファイナンス理論を用いて説明していきます。なかなか特異なスタンスではありますが、説明の中で参考になる点もあり、下記でご紹介します。

株を買ってはいけない理由

株を買ってはいけない理由として、以下を挙げています。

1.個人投資家が行うのが短期投資だから

株式リターンの源泉は配当などの再投資による収益だが、短期投資になるとゼロサムゲームになる

2.個人投資家機関投資家情報格差が大きすぎる

3.市場は既にかなり効率的

機関投資家が必要な情報ベースで予測しており、既存の株価に必要な要素は織り込まれている。そのため、個人が予測してもそれは外れる

4.投資をやるならインデックスの長期投資とすべきだが、証券会社から推奨されない

5.裁定取引業者の存在

アービトラージャーがおり、株価が理論価格と乖離した場合に儲けるチャンスを常にうかがっている。ヘッジファンドなどその一例で、彼らの行動が、結果的に株価がファンダメンタルバリュー(真の価値)に戻す働きとなる。そのため、個人投資家がいくら予想しても理論値にいつ回復したかわからず、大きな利益を得ることはできない

上記のように述べ、個人投資家は市場を負かすことはできないので、インデックスファンドを買いましょう、と説明します。

PERに関する誤解

著者は、PERに関する誤解もあると説明しています。

成長している株式のPERは高いのが当たり前との見方があるが、誤りだといいます。実際に、配当割引モデルという古典的な株価モデルとROE(Return on Equity)を用いて説明します。結果、成長率がゼロではなく、かつ、成長率が割引率を上回る企業のみが、高PERを正当化できることになります。例えば、A-Dのような会社がある場合は、Dのみが高成長を正当化できます(割引率6%とする)

・A社:ROE 6% 成長率 4%

・B社:ROE 6% 成長率 0%

・C社:ROE 10% 成長率 0%

・D社:ROE 10% 成長率 5%

A社は、4%成長だが、ROEと割引率が6%で同一のため、PERは16.6倍。つまり、割引率の逆数(益利回り=1÷割引率)となります。

B社は成長していないので、配当性向100%となり、PERは割引率の逆数16.6倍となります(配当性向=1-成長率/ROE

C社はROE10%ですが、成長していないので配当性向が100%でPERは割引率の逆数16.6倍になります。

D社は、5%成長しており、ROEが割引率を上回るため、PERは50倍と、割引率の逆数を上回ります。

企業は株主から預かった資金を設備投資に回し、利益を株主に還元するので、ROEが高い方がベターです。しかしC社のように、たとえROEが高くても、設備投資をしていない企業はPERが低くなります。逆にA社のように、成長率がプラスでも、ROEが割引率に一致しているレベルだと、企業価値が増えないことを意味するので、PERは低くなります。

ここから、確かに高成長企業のPERは高くなりますが、高成長でも、株主資本の利益率を表すROEが割引率に一致していれば(企業価値が増加していなければ)、その企業のPERは低くなります(つまり、高成長でPERが低い企業はOKというものでもない)

個人投資家が市場に勝てるか

さらに、個人投資家が市場に勝てた、という過去のニュースの実態を紹介します。

アメリカの投資クラブが市場をアウトパフォームしたという報道がかつてあったそうです(1994年12月14日シカゴトリビューン)。これによると、平均年齢70歳の女性グループの投資成果が1983-1992年で年平均23%(S&P500を8%アウトパフォーム)だったとの記事です。

ところが、1998年の会計士等による調査で、実際は9.1%だったことが分かりました。これを受け、アメリカの学者が全米の投資クラブ(166)のパフォーマンスを改めて調べた結果(検証期間1991年-1997年)、大半の投資クラブでベンチマークを下回るリターンしかあげられていなかったそうです。こうしたことから、やはり個人投資家が市場を打ち負かすことが、投資教育が進んでいるとみられてるアメリカでも難しいということです。

以上みてきましたが、著者としては、個人投資家が不利である点や、株式投資のリスクを説明していますが、やるならインデックス投資がいいといっています。勉強になる点もありますので、参考程度に読まれてみてもいいかと思います。

今回は以上です!

昨日は、33人の方にクリックしていただきました!大変励みになります。ありがとうございます!よろしければ、本日も応援ポチお願いします!

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 

関連情報

ご参考までに、投資関連の書評記事も書いています

mike2020.hatenablog.com

mike2020.hatenablog.com

mike2020.hatenablog.com

mike2020.hatenablog.com

mike2020.hatenablog.com

mike2020.hatenablog.com

mike2020.hatenablog.com

mike2020.hatenablog.com

mike2020.hatenablog.com

mike2020.hatenablog.com

mike2020.hatenablog.com

mike2020.hatenablog.com

mike2020.hatenablog.com

mike2020.hatenablog.com

mike2020.hatenablog.com

mike2020.hatenablog.com