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【衝撃】これまでのどんな経済書よりわかりやすい │ 『父が娘に語る経済の話』

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ヤニス・バルファキス氏の『父が娘に語る経済の話』をご紹介します。

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Amazonより

ギリシャ財政危機時の財務大臣を経験したヤニス氏が著者です。10代の娘にわかるよう経済について説明するというのが本書のコンセプトです。10代に説明しているだけあって、経済の仕組みがとても分かりやすく解説されていますので、かいつまんで説明します。まず、本書の構成は以下です。

第一章 なぜ、こんなに「格差」があるのか

第二章 市場社会の誕生

第三章 「利益」と「借金」のウエディングマーチ

第四章 「金融」の黒魔術

第五章 世にも奇妙な「労働力」と「マネー」の世界

第六章 恐るべき「機械」の呪い

第七章 誰にも管理されない「新しいお金」

第八章 人は地球の「ウイルス」か?

概要としては、第一章で「余剰」がテクノロジーや経済社会を発展させてた背景を整理します。

第二章で、生産の三要素(土地、資本、労働)が生産の手段であったものが、商品と変わり、市場社会が出来上がった過程を記します。そして、世の中には交換価値と経験価値がありますが、交換価値が経験価値を凌駕し始めた点を指摘します。つまり、お金が手段から目的になったということです。

第三章で、封建時代の生産→分配→債権・債務の流れに、大転換が起きたと指摘します。生産後に余剰を分配するのではなく、生産前に分配するようになったのです。というのも、賃金も地代も原料や道具の値段も、生産前からわかっており、領主以外の人が事業を起こすには、借金が必要になりました。そこに、利子が生まれました。人間が利益追求するようになり、起業家は借金と利益と焦りが高まり、競争は過酷になりました。労働者はできるだけ安く雇う必要が出てきました。

第四章で、起業家が際限ない野心で交換価値を獲得していくには、多額の借金を続けることが必要となることから、銀行の出番が来るといいます。そして、民間の銀行を助ける中央銀行が大事になります。また公的債務によって、市場社会が回るようになります。ただし、著者は銀行の役割を黒魔術といいます。というのも、景気のいいときに莫大な富を生み出し、不景気になると富を破壊するためです。その中では、権力と富を一握りの人に配分し、その富を奪うというサイクルになります。つまり、銀行は市場社会を不安定にする黒魔術なのです。

第五章・六章では、労働力とマネーが、市場社会の不安定の根源であると書いています。企業は、利益を拡大するために、テクノロジーの進歩で機械化・自動化を進めます。そうすると、労働者は機械に置き換えられます。『スタートレック』の世界を例に出しながらも、結局人に残される仕事は、人間にしかできないようなものが新しく生まれるか?というと、そうではないと著者は考えています。これまでの社会の仕組みの中では、機会が生み出す利益を一握りの人たちが独占し続けるだけだと考えています。そこで著者は、一つのアイディアを提示しています。機会を賢く使って、機械の労働がすべての人に恩恵をもたらすために、「企業が所有する機械の一部を、すべての人で共有し、その恩恵も共有する」ことです。つまり、テクノロジー民主化です。具体的には「機械の生み出す利益の一定割合を共通のファンドに入れて、すべての人に等しく分配」するというアイディアです。今の仕組みでは富の集中が進むと、多くの庶民は職がなく、また給与が下がる中で、消費が減り、モノが売れなくなります(価格も安くならざるを得ません)。それが、利益の一部が自動的に労働者に分配されれば、上記のような需要と売上と価格の悪循環がとまり、人類全体が機械の恩恵を受けられるといいます。

第七章は、収容所を例に、通貨の購買力や金利の仕組みを説明します。また仮想通貨の弱点として、危機時にマネーの流通量を調整できない点を挙げます。

第八章で、地球環境問題に対する答えとして、排出権取引のような、経験価値を交換価値にすべて変えていくようなアプローチではだめだと説明します。というのも、排出量の割り当てや監視の主体である政府が、果たして信頼できるものか疑問が残るからだとします。そして、著者は地球の資源と生態系の管理を民主化する必要があるといいます。

以上、このように書くと味気ないのですが、実際に読まれるとわかりますが、小説やギリシャ神話、映画の内容を引き出しながら、かみ砕いて説明されています。結論として、機械化や環境破壊に対峙するには、管理の民主化が必要と述べています。機械・テクノロジー民主化のアイディアはなかなかぶっ飛んでおり、それ自体を実際に進めることは難しいと思います。しかし、本書の主題とメッセージは明快です。すなわち、子どもでもわかるように経済の矛盾・格差の存在を説明し、いつかその解消・軽減に向けて手を打ってほしい、というメッセージです。本書を一部抜粋すると、第一章の中で以下のように記されています。

「君には格差が当たり前だとは思ってほしくない。いま、10代の君は格差があることに腹を立てている。もし、ひどい格差があっても仕方ないとあきらめてしまいそうになったら、思い出してほしい。どこから格差が始まったのかということを。赤ちゃんはみんな裸で生まれてくる。高価なベビー服を着せられてる赤ちゃんがいる一方で、お腹を空かせ、すべてを奪われ、惨めに生きるしかない赤ちゃんもいる。それは赤ちゃんのせいではなく、社会のせいだ。君には、いまの怒りをそのまま持ち続けてほしい。でも賢く、戦略的に怒り続けてほしい。そして、機が熟したらそのときに、必要な行動をとってほしい。この世界を本当に公正で理にかなった、あるべき姿にするために」

今回は以上です!

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