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【中国株投資の前提理解】マルキール先生からするとCXSEはリスク高すぎ【書評】

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10月頭以降、CXSEの株価が少しずつ上がり始めています。

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そんな中最近、中国株への投資にあたり参考になりそうな書籍を読みましたので、ご紹介します。バートン・マルキール『中国株投資の王道』(2008)です。

バートン・マルキールは、『ウォール街のランダム・ウォーカー』で有名です。本書『中国株投資の王道』は、マルキール先生だけでなく、梅建平氏プリンストン大学経済学博士、北京の長江商学院でファイナンス講師)と、楊鋭氏(中国最大の投資信託運用会社の一つ、ボセラ・アセット・マネジメントのファンドマネジャー)らとの共著となっています。中国の株式市場を内外からの視点でバランスよくとらえることを目指したためとしています。

本書の構成は、第一部「中国はまだまだ進化する」で、前提としての中国の歴史、経済成長の要因、リスクなどをおさえます。第二部で、「中国株にのらない手はない」として、投資対象としての中国株市場の魅力度を整理します。そして第三部で「マルキール博士の中国株戦略」として、リスクの考え方と、具体的な投資アプローチや個別銘柄紹介などを行います。

この記事では、そもそも出版されたのが10年以上前ではあるものの、中国投資の前提理解として参考になる部分をかいつまんで説明します。

中国の前提理解とリスク

第一章 赤い資本主義の勃興

まず中国への投資戦略を考えるうえで、前提として、中国を形作ってきた四つの要素、すなわち儒教、植民地化、共産主義、資本主義(中国独特の社会主義経済)を説明しています。

第二章 驚異の成長物語

次に、過去の驚異的な経済成長の要因を、市場メカニズムの容認、国際貿易と海外直接投資受入れ、高貯蓄・高投資体質、労働市場構造改革、基礎教育の重視、WTO加盟などの観点から整理しています。

第三章 真のリスクはどこに

そして、中国経済が抱える主要リスクに対して、以下のように評価しています

1)人口高齢化による成長鈍化:大きなリスクなし

・2025年までの老齢人口比率は中国が20%でアメリカの24%や日本の35%などと比較してまし。また2050年でみても、高齢者が占める割合で上位25か国にも顔を出さない。

・そもそも高齢化が経済成長に大きなマイナス要因というわけではない

2)巨額の不良債権で経済が破綻する:フィクションでしかない

公的資金による銀行支援、外国の投資家の経営参加促進による銀行経営内容の健全化、銀行のIPOによる資金調達の実施しているため

3)台湾および日本との対立:経済的な相互依存により武力衝突は考えづらい

4)環境破壊が成長の足を引っ張る:環境規制の強化と技術進化促進を進めており、リスク低い

5)格差拡大による社会不安:リスク低い

・2006年温家宝首相が格差縮小のための政策を打ち出し、調和の取れた国作りに向かっている

6)賃金上層が成長ブレーキとなる:長期的に見れば人件費上昇で国内消費比率向上し、安定成長にむしろプラス

7)中国の発展はアンバランスで持続できない:確かに政府・民間部門の資本投資と輸出依存が高い。いずれそれを卒業し、内需中心の需要構造への変化が求められる。

アメリカの対中貿易赤字によりアメリ保護主義感情が高まり、中国からの輸入制限を行う可能性がある。そうすると、中国のGDP成長率鈍化は避けられない

8)汚職の蔓延が国を滅ぼしかねない:政権や学者でも対応に乗り出している

まとめると、不確実性はあるが、マルキール先生は将来の中国は明るいと確信しているといいます。その理由は、強固な伝統文化です。儒教が根付き、学習を大切にし、勤勉をほめたたえる社会であることは強みだとします。また、20世紀最高の経済学者サー・W・アーサー・ルイスさんも、伝統文化の重要性を主張しています。そして、中国の人々が持つ創造的エネルギーが、経済成長の決定的な原動力であるといいます。

中国投資の心得

第八章 まず「心の準備」を整えよう

中国に投資する際に「心の準備」を整えることを推奨します。つまり、保有資産とリスク許容度を踏まえた検討です。

米国株と異なり、大企業はシノペックのような国営企業多数です。しかし国営企業は、業績の実態は不透明な面があります。また民間企業でも、親族経営されている場合も多く、経営陣の関心は、必ずしも株主利益にない場合もあります。一方で、百度をはじめとする新興企業は大きなリターンをもたらす可能性があります。

それら踏まえたうえで、やはりマルキール先生ですので、投資信託を勧めます。ただし、中国株組み入れ比率が高いとボラティリティが大きくなるので注意を促します。参考として、リスク許容度が高く、リスクを取ってリターンを狙いたい人は、組み入れ比率15-29%、逆にリスク許容度低く、リターンよりもリスク抑えたい人は0-5%と述べています

本記事まとめ

ここから学べるのは、

・第一章の中国ならではの「赤い資本主義」は、昨今の中国政府によるテック企業への締め付けのような、政治的意図を持った恣意的な規制強化ともいえるようなリスクをはらんでいるということです

・一方、第一章の儒教が根付いている話や、第二章の基礎教育の重視、また第三章まとめにある「創造的エネルギー」から、たとえ今後人口動態からインドが台頭しても、イノベーションの力は今後も魅力的と考えられます

・そしてリスク許容度によるものの、CXSEは中国しかもテック企業の組み入れ比率が高いですから、マルキール先生視点からすれば、かなりのハイリターン狙いのハイリスク投資です(以下は組み入れ銘柄上位10社)

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ブルームバーグより

そのリスクを取りたければCXSEでいいのですが、そうでない個人投資家は、安易にCXSEではなく、中国株組み入れ銘柄比率に着目した銘柄選びを行うのが良いと思います。

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