【5月雇用統計】予想割れ→早期テーパリング懸念後退。ただインフレは引き続き要警戒
米雇用統計5月分が発表されました。
結果は、以下でした。
・非農業部門雇用者数:55.9万人増(予想65万人)
・失業率:5.8%(予想5.9%)
市場の反応は、早期のテーパリング懸念が後退し、ポジティブでした(6/5日本時間5:00時点)
・米長期金利:1.62から1.56まで低下
・株価:ダウ+0.52%、S&P500 +0.88%、ナスダック+1.47%
一方、時間当たり平均賃金は前月比で0.5%で伸びました。コロナの影響をもろに受けた前年同月と比べると2.0%で、前月の0.4%から急拡大しています。
また、ワクチン接種による経済再開を反映して、レジャー・接客の伸びは1.3%と、3カ月連続で1%を上回っています。
飲食・接客業界は、主任待遇のコックさんは時給最大30~35ドルだそうです。
こういった賃金が継続して上がった場合、インフレ率は連邦準備理事会(FRB)議長が想定するような一過性の動きにとどまらなくなります。この点は警戒が必要だと思います。
しかし現時点でエコノミストの間では、今回の統計からFRBがテーパリングに向けた早期議論を開始することは考えにくいということです(参照元ロイター)
米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は、「労働市場が新型コロナウイルス禍前の水準へ完全に戻ることはないかもしれないとした上で、連邦準備理事会(FRB)が量的緩和の縮小(テーパリング)を始めるには『さらなる進展』が望ましい」と考えているようです(参照元ロイター)
ですので、まとめますと、今回は一時的に懸念が後退し、金利低下、株価上昇となっていますが、労働市場に「さらなる進展」があった場合には、「早期にテーパリングに向けた議論が必要」といった話が再燃します。
そのため今後も、6月分の雇用統計発表7/2、7月分8/6や、その後のジャクソンホール会合、また米消費者物価指数などの経済指標に注視した方がいいでしょう。
(経済指標のスケジュールは、下記記事で記載しているのでご参考まで)
ただし、これら指標と株価上下に一喜一憂する必要はありません。たとえ調整があっても、長期では上昇しますので、定期買付をしている人は、継続すればOKです。
もし夏のボーナスで大幅買い増ししたい人(←Mike)がいれば、上記指標の発表や、ジャクソンホール会合周辺であるかもしれない調整局面を念頭に作戦を立てるのも一つのオプションだと思います
今回は以上です!
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