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【景気の減速期入り】JPモルガンレポート│米国のインフレ懸念が和らぐ後にいずれ訪れる減速期。減速期に備えたポートフォリオは?

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JPモルガン証券が、2021年第3四半期以降の見通しとして、分かりやすいレポートを書いています(記事)。全体としては、景気拡大と強気相場は続くが、①FRB金融緩和の出口、②米国の高インフレ、③世界景気の減速入りの三つのリスクに対応するポートフォリオのメンテナンスが必要と述べています。今回は、レポートの内容をかいつまんでご紹介します。

目次

前提

前提として、これからテーパリングではあるが、「早期かつ急速な利上げや過度な景気悪化を織り込むのは時期尚早」とみています。その理由として、過去の景気後退を見ると、以下のように、1)「FRBの利上げがどんどん進む中で、2.米国の景気後退の事前サインとされる米国の長短金利の逆転が生じ、3)失業率が底を打った後に米国の景気後退が訪れて」きたが、現時点ではそうなってはいないからです。

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JP Morgan Asset Management HPより

世界景気の減速期入り

ただし、景気拡大期でも、加速と減速があります。以前の記事で、景気サイクルと金利の関係について書きました。

mike2020.hatenablog.com

景気は四季のように10年程度で大きく循環します。しかし、細かくは、加速期でもスピードが減速するタイミングがあるのです。そして今年の秋冬にかけて減速期に入る可能性があるといいます。その理由は、グローバル製造業PMIが秋冬ごろにピークアウト(景気の分かれ目である50を上回るが、低下基調となる)する可能性があるからです。実際過去を見ると、PMI(Purchasing Manager’s Index:購買担当者景気指数)のピークアウト後、株価の上昇が重くなっているからです(下図)

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JP Morgan Asset Management HPより

ポートフォリオへのアドバイス

まとめると、大きなトレンドとしては、今後も景気拡大は継続するが、まずは足元の米国の高インフレや金融政策を警戒し、その後世界景気の減速期入りに注意が必要な状況です。では、このような局面でどのようなポートフォリオで対応するのが良いか?レポートでは、「(A)FRBのテーパリング開始への備え、(B)足元の強い世界景気&米国の高インフレに適したポートフォリオ構築、(C)やがて訪れる景気減速期に適したポートフォリオへの衣替え」に分解して説明しています。

「(A)FRBのテーパリング開始への備え」ですが、前回2013年のテーパリング時には、当時のバーナンキFRB議長がテーパリングを示唆した際に急激な金利上昇がありました。このような短期的な波乱(今回は起こる可能性は低いが)がある場合には、金利上昇に強い日本やバリュー、景気敏感セクターの株式をポートフォリオの一部に加えることが一案としています。実際過去5年で、米長期金利が短期的に大幅上昇した時を見ると、それらが大きなリターンを出しているからです。この局面では、債券、新興国株、グロース株、ディフェンシブセクター株など幅広く株価が下がっています。

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JP Morgan Asset Management HPより

次に(B)「足元の強い世界景気&米国の高インフレに適したポートフォリオ構築」です。世界景気の拡大基調かつインフレ率3%以上の状況下における過去リターンを踏まえ、下図のオレンジのセクター、例えば新興国や日本、欧州、バリュー、景気敏感セクターなどをポートフォリオに加えることを一案としています。

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JP Morgan Asset Management HPより

(C)「やがて訪れる景気減速期に適したポートフォリオへの衣替え」、つまりその後の景気の加速期終了後については、上記グラフの水色、つまり、米国、高配当、クオリティ、ディフェンシブセクターなど安定感のある株式を選好するのが良いとされています。また、併せてREITや債券などインカム系をポートフォリオに入れることを勧めています。

ちなみに、(B)から(C)への意向の転換点は、PMIが上昇トレンドから低下トレンドへの転換期に起こりうるため、今年の秋冬から来年にかけて起きるのでは、とレポートでは指摘しています。

まとめ

レポートにおける今後の見立てを整理すると、景気拡大は継続するが、まずは足元の米国の高インフレや金融政策を警戒し、その後世界景気の減速期入りに注意が必要な状況です。それに対して、以下のフェーズごとにポートフォリオへの組み入れを検討すべし、としています。

(A)短期的な金利上昇/波乱:日本、欧州、バリュー、景気敏感セクター

(B)強い世界景気、かつ高インフレ:新興国や日本、欧州、バリュー、景気敏感セクター

(C)景気減速期:米国、高配当、クオリティ、ディフェンシブセクター、REITや債券

(A)は短期的な波乱なのでいつ起こるかわかりませんが、個人的にはFRBと市場とのコミュニケーションの中で発生する可能性ありと思います。ですので、例えば足元では10/14予定の前回FOMC議事録公開や、11/4のFOMCなどがあり得るかと想像します。また上記(B)から(C)への移行は、過去実績ではPMIのピークアウト後が通常のようです。そのため、今年の秋冬から来年にかけて起こり得るとレポートでは指摘しています。

これら踏まえて、個人投資家はどうしたらいいか。

当然投資スタンス次第ですが、短期視点でもうけを出したければ、上記のフェーズを予想しながら、組み入れ銘柄・セクターを検討するのもありでしょう。ただ、結局「いつ買っていつ売るのか」を予測するのが難しいため、上記フェーズを意識しすぎて売り買いを増やすのは得策ではないと思っています。

またMikeは長期投資スタンスです。ですので、長期投資に向く銘柄、特に「長期的に株価が上がる(安心して保有できる)銘柄」(場合によっては「大幅に下がる懸念が少ないが高配当」でポートフォリオを構築したいと思っています。ですので、例えば(A)に合わせて「欧州株」や「景気敏感セクター」を売買といったことはしない方針です。このようなレポートも、「そろそろ来るよね」の心の準備の材料として消化しつつ、積立投資はブレずに継続していきます。

今回は以上です!

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