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日本経済への処方箋とは【書評】

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日本経済の長期停滞が叫ばれて久しいですが、元日銀の経済学者 翁邦雄氏が『金利と経済』で処方箋を書いています。かいつまんでご紹介します。

内容的には、過去の日本の金融・財政政策と、他国中央銀行家の論文等を振り返りながら、世界経済の長期停滞仮説や、日本経済における根本原因の特定と、そこに対する打ち手を述べています(2017年の著書であり、半導体不足、原油高、物流コスト高などによる昨今のインフレは考慮されていません)

そもそもの世の中のトレンドとして、

・自然利子率*よりも実質市場金利が低ければ、潜在GDPを超えた需要を創り出し景気を過熱させる→インフレが加速するはず

・しかし、先進国の実質市場金利低下の中でインフレが加速せず、むしろインフレ目標から遠ざかってきている→自然利子率は実質市場金利以上に急激なトレンドとして下落しているのではないか。

・それにより、世界経済の長期停滞仮説につながっているのではないか

*景気への影響が緩和的でもない、引き締め的でもない中立な実質利子率

また日本の構造として人口減少があります。人口減少は必ずしもデフレに作用するわけではありませんが、自然利子率を低下させる可能性は高いといえます。その点、ノーベル経済学賞を取ったポール・クルーグマンは、金融政策による期待への働きかけではインフレにならない、として日本への処方箋見直を提起しました。

著者も、自然利子率の趨勢的な低下を所与とする限り、成長率は右肩下がりであり、日本経済のジリ貧は全く改善しないといいます。そのため、本質的に必要な長期的処方箋は、マクロ経済政策ではなく、自然利子率を引き上げるための取り組みにあると述べます。

具体的には、アベノミクス三本の矢にあった希望出生率1.8の実現、介護離職ゼロなどは意味があると述べます。子どもを産みたいと自然に思える社会を作る政策が重要ということです。また、介護離職ゼロは、健康寿命を引き延ばすための政策や質の高い介護を少ない労働投入で実現することが必要となります。そのため、ロボットによる介護や、創薬、単身高齢者の生活を支える物流システムなど総合的な施策が必要といいます。そうした努力が、需要創出と同時に、自然利子率の向上に貢献するといいます。つまり、自然利子率をあげるために、人口問題と正面から向き合うことで、高齢化をイノベーションと需要増につなげ、成長の源泉に転換していくべき、との主張です。

昨今、選挙対策としての子育て支援策につきいろんな意見が出ています。選挙目的だと、どうしても選挙期間前後のみの対策となり、日本の人口構造に対する俯瞰的かつ長期的な視点での政策は優先度が下がります。現政権も、いろんなブレーンの方からインプットを受け、本当にやるべきと考える政策がいくつもあるかもしれません。しかし民主主義の仕組み上、まずは選挙に勝たなければ政策を実行ができませんからそうなっていくのでしょうね。。。そういった失望はさておき、日本経済の長期停滞と対策に関して理解を深めたい方にはおすすめの内容です。

今回は以上です!

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