セルインメイ(Sell in May)が意味するところ
投資のアノマリーで「Sell in May」があります。今回、その意味するところを考えました。
結論
・「Sell in May」は、「6月以降相場が下がるので5月には売却して離れたほうがいいが、9月は市場底打ちするので戻ってきた方がいい」という格言です。
・しかしS&P500の実績を見ると、「6月から下げ、9月頃から上昇」が当たることは多くありません。
・ただ、過去41年間のうち約8割の年は、5月より10月の株価が上回っていました。そのため、たとえ6月以降株価が下がったとしても、10月には回復することが多いと思って、ブレずに積み立てを続けることが大事です
アノマリーとは
まずアノマリーとは、理論的根拠がないが、よく当たる相場の経験則です。Sell in Mayは、野村證券によると、6月以降相場が下がるので5月には売却して離れたほうがいいが、9月は市場底打ちするので戻ってきた方がいい、という格言です。
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米国の格言で、1月から5月にかけて株式相場は上昇、6月から下げる傾向があることから、5月には株式を売って相場から離れたほうが良いという意味。英語では「Sell in May and go away」、但しこれに続けて「But remember to come back in September」とあり、9月頃には株価が底を迎える傾向があることから、そのころに再び市場に戻ってくることを忘れないように、としている」
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Sell in Mayは当たるのか
まず、この経験則はどれだけ的を得ているのでしょうか。
S&P 500の月別終値ベースを2011年から見てみると、必ずしも6月から下げ、9月頃から回復しているわけではありません。
あてはまっているといえるのは、過去20年間で以下の8つの年です。
・2000-2010年の10年間:2001(黄土色)、2002(水色)、2004(橙色)、2006(黄色)、2010(茶色)
・2011-2020年の10年間:2011(灰色)、2019(水色)、2013(青色)
20分の8なので、半分以上の年は「6月から下げ、9月頃から上昇」とはなっていません。特に過去10年で見ると、リーマンショックがあったこともあり、当てはまったのは3年にとどまりました。
また、1980年から2020年の41年間で9月終値が5月終値を上回った年をカウントすると、14年しかありませんでした。つまり、34%です。
まとめ
結局のところ、「まあアノマリーだから当たるときもあるけど、当たらない時もあるよね」という話です。
しかし、アノマリーの説明をもう一度よく見ると、「9月頃に戻ってきたほうがいい」と言っています。その意味は「10月以降も上昇するから、9月頃までには戻ってきておいてね」とも受け取れます。
実際、先ほどの41年間で5月終値より10月終値が上がっている年は、32ありました。つまり、約8割の年は、5月終値以降、10月終値段階では上昇して終わっています。
これは、期間が長ければ株価は徐々には上がっていきますので、ある部分当然ですが、心の支えにはなると思います。たとえ6月以降株価が下落し不安になるようなときでも、「過去41年のうち約8割は10月には回復しているのだから、大丈夫」と思うことができ、勇気づけられるのではないでしょうか。少なくとも私は、勇気をもって積立買付を継続できると思います。
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