【暴落アッヴィ】死亡リスクの警告が必要な「リンボク」、その売上構成比は?考えるべき2つの論点【ABBV】
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アッヴィ(Abbvie/ABBV)が暴落しました。
理由は、FDA(アメリカ食品医薬品局)から関節炎治療薬「リンボク」が、パッケージに最も厳しい警告文(「死亡リスク増加」)が必要と判断されたためです(参照元)。もともと厳しい警告が必要な治療薬でしたが、今回追加的にさらに重い警告文が必要と判断されました(参照元)
リンボクは、2020年売上が731百万ドルでした。うち、約9割はアメリカ国内ですので、大半が売上立たなくなるリスクがあります。
そのインパクトは全社的にどれくらいなのか?二つのポイントがあると考えます。
一つは、主力治療薬ヒュミラに変わる将来の収益の柱を一つ喪失。
リンボクは、2020年の全社売上比でいうと2%程度です。したがって、同薬品がこけたからと言って、全社経営が傾くようなお話ではありません。しかし、アッヴィにとってスター商品ヒュミラに変わる仕込みが急務となっています(詳細は以下ご参照)。
その中で将来を見据えて仕込んできたアイテムです。また、数ある仕込みの中でも、有望株の一つでした(参照元 )。それが2019年から売上として日の目を見る形で、さらに2020年には731百万ドルと急増しました(グラフ単位は百万ドル)
それが、今回最も厳しい警告を追加されるということは、つまりいわばポスト・ヒュミラの候補を一つ失いかねないできごとです。
二つ目は、組織・プロセスの構造的問題です。
自社で一定の安全性/リスクレベルと判断したものが、FDAで死亡リスクが高いと判断される、、、とすると、アッヴィ社内での試験運用・評価プロセス大丈夫なの?という思いも、素人的には持ってしまいます。そうすると、いろいろ仕込んでるけど、リンボク以外の新薬候補大丈夫なの?とも思ってしまいます。例えば、2020年の全社売上構成比3%の免疫薬Skyrizi、神経疾患薬のBotox Therapeutic(売上構成比3%)やVraylar(同2%)。。
ただ、一方で今回のFDA発表は、ファイザーのゼルヤンツにも同様の警告を出しています。つまり、「製薬会社で出した安全性評価が、FDAではさらに厳しく評価される」ということが普通に起こる世界です。背景として、薬は市販して多くの人に使ってもらわないとわからないような副作用があります。市販すると、いろんな体の状態の人に使うので、発生頻度は低いけど、致命的な副作用が判明し、期待を裏切ることもあります。このあたり、製薬会社任せでは安全担保が難しいので、FDAがレビューします。もちろん、製薬会社の評価手法が悪い場合もあります。しかし、アッヴィは業界の人からして危ない会社ではないようです(Mike知人の業界関係者より)
まとめます。上記2点を踏まえると、結局どういうポジションを取るのがいいのか?
一点目については、確かに一つ将来の玉を失う懸念はあります。しかし、Mikeがアッヴィに長期投資しようとした最大の理由は、M&A巧者でポートフォリオ組み換えが長期的に可能とみられたためです。その前提は変わっていません。ですので、今後もベストな玉のラインナップをそろえるための入れ替えができる会社だと考えています。短期で見れば、リンボクはだめでも、長期でまた新たな玉を仕込み、花開くまで投資できる企業だと考えています。あとは、2023年ヒュミラ特許切れまでに間に合うかがカギです。
二点目は、アッヴィ固有の組織やプロセスの問題ではないようなので、構造的な問題としてとらえる必要はなさそうです。そのためMikeとしては、特に一点目を考慮しながら、今後の買い増しを検討していきたいと思います。
今回以上です!
ご参考までに、製薬銘柄の記事は以下です。
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