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【人生の戦略】続・どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるか【書評】②

前回、クレイトン・M・クリステンセン『イノベーション・オブ・ライフ』の「どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるか」における4つのポイント(①戦略を持ち、②動機付けを正しく理解し、③望む目標と予期されない機会とのバランスを図ること、④そしてこれに応じて自身の資源配分を実際に変えていくこと)のうち、①と②をご紹介しました。今回は、③と④をご紹介します(前回記事はこちら)

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③望む目標と予期されない機会とのバランスをとる

キャリアでは、目の前に現れるのが、意図した戦略通りの選択肢か、創発的に予期されない選択肢か、どちらかを選びながら道を進んでいきます。そのバランスのとり方が重要だといいます。

すでに愛する仕事が見つかっている人は、意図的に設定した目標をどうやって達成するかの検討に集中したほうがいいです。一方、まだそういうキャリアが見つかっていない人は、道を切り拓こうとする新興企業のように、創発的戦略をとる必要があるといいます。一つ一つの経験から学びながら、戦略を修正するのです。そして、これ、と思う仕事が見つかるまではそれを続けるのです。

クリステンセンは、キャリアを歩むうちに、自分がどのような分野の仕事なら好きになれるか、輝けるのかが分かってくるといいます。その場合、そのうち動機付け要因を高め、衛生要因を満たせる分野がきっと見つかると考えられます。しかし、ただただ待って、問題をじっと考えているだけでは、何も起こりません。外へ出ていろんな物事を試しながら、自分の能力と感心、優先事項が実を結びそうな分野を、身をもって知ることです。その時が、創発的戦略から、意図的戦略に移行するタイミングだといいます。

④資源配分を変えていく

戦略は描いただけでは意味がありません。①から③にもとづいて、実際に自分の資源を配分する必要があります。しかし言うは易しで、実際に行うのは難しいことです。

HBSの卒業生は、仕事だけでなく、プライベートも満足できる生活を築こうとして、家族により良い暮らしを与えるような選択しとして、収入の高い仕事を第一歩で選びが

ちです。しかし、そうすると生活レベルが上がり、そのライフスタイルにあった資源配分プロセスが固定化します。昇進を逃さないために、仕事にかける時間を減らせない、、という状況になるといいます。こうして、知らず知らずのうちに、家族をおろそかにしてしまいます。

クリステンセンによると、上昇志向の強い人たちほど、同じパターンがみられるようです。家族ほど大切なものはないと頭ではわかっているのに、ますます資源を振り向けられなくなる。こうした事態を引き起こすのは、その場しのぎの小さな決定の積み重ねのようです。しかしこのような資源配分を継続することで、気づかないうちに意図したものとはかけ離れた戦略を実行することになってしまうのです。

 

「その場しのぎの小さな決定の積み重ね」が本来の意図からかけ離れた結果を導くことは、ハーバードのエリート以外でも起こることだと思うので、注意したいところです。

前回からクレイトン・M・クリステンセン『イノベーション・オブ・ライフ』をご紹介してきましたが、「どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるか」を考えるヒントとなれば幸いです。

また本書では、そのほかにも、家族や友人と幸せな生活を送るにはどうしたらいいか、といった、キャリア以外の人生の側面についても説明されています。論理的かつ実体験を踏まえた本書の内容は、どの年代の方でも、その考え方が参考になると思います。ぜひお盆休みに手に取ってみてはいかがでしょうか。

今回は以上です!

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