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【人生の戦略】どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるか【書評】①

「どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるか」、「どうすれば家族や友人との関係を幸せなものにできるか」といった問いは、簡単な答えがあるものではありません。しかしクレイトン・M・クリステンセン『イノベーション・オブ・ライフ』は、そこに対する解をわかりやすく説明していますので、ご紹介します(長くなるので、二回分けての記事にいたします。今回はその一回目です)。

著者は、イノベーションのジレンマで有名なクリステンセン先生です。クリステンセン先生は、ハーバード・ビジネススクール(HBS)の同窓会で友人たちと会うと、職業人としては成功しながらも、明らかに不幸な人たちが多くいることに気づきました。例えば、社会的成功の陰で、多くの人が仕事を楽しんでいなかった。離婚や不幸な結婚生活。子どもと口を利かず、別居している、など。そしてそれが、10年目の同窓会、25年目、30年目とさらにひどくなっていき、ついには同窓生の一人がエンロンのスキャンダル*にかかわって刑務所行きになったといいます。

*コンサルティング会社マッキンゼーの史上最年少パートナーで、エンロンCEOで一億ドル以上の年収を得ていた

満たされない私生活、家庭の崩壊、仕事上の葛藤、犯罪行為など、こうしたことは、HBSの同級生だけでなく、クリステンセンのオックスフォード大学の留学時代の同窓生にも当てはまりました。そこで、クリステンセンは、

・どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるだろう?

・どうすれば伴侶や家族、親族、親しい友人たちとの関係を、ゆるぎない幸せのよりどころにできるだろう?

・どうすれば誠実な人生を送り、罪人にならずにいられるだろう?

という人生での幸せの鍵となる三つに質問への回答の一助となる理論*を紹介します。

*人生の状況に応じて賢明な選択をする手助けとなるツールを指す

今回は、その一例として、「・どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるだろう?」の一部をご紹介します。

結論は、①戦略を持ち、②動機付けを正しく理解し、③望む目標と予期されない機会とのバランスを図ること、④そしてこれに応じて自身の資源配分を実際に変えていくことです。

今回は①から④のうち、①から②までの内容を見ていきます。

①戦略を持つ

戦略とは、何を達成したいか、そこにどうやって到達するかを示したものです。ビジネスでは、企業が何を優先するか、その先にある機会や脅威にどう対応するか、それに際し、保有資源をどう配分するかといった検討を通じて、戦略が策定されます。クリステンセンは、企業でなく個人でも、この検討プロセスが当てはまるといいます。例えば、キャリアに対して、こうしたいと思っていても、実際には予期しなかった機会や脅威が訪れるのです。その中で、自身の時間、能力、労力といった資源をどのように配分するかによって、人生の戦略が決まっていきます。この戦略を作り、状況に合わせて変えていく持続的なプロセスをもつことで、心から愛する仕事につけるチャンスが高まるといいます。

②動機付けを正しく理解する

誘因(インセンティブ)と動機付け(モチベーション)は異なる概念ですが、動機付けを正しく理解し、自分が心から突き動かされる仕事を探すことを考えるべきだといいます。

まず誘因ですが、エージェンシー理論、または誘因理論といいます。例えば企業経営では、なぜ経営者が株主の利益を第一とする行動を必ずしもとらないのかという問題があります。これに対し、経営者と株主の利害を一致させる、つまりインセンティブを一致させるという方法があります。端的には、金銭的報酬です。

しかし、この解決策の問題点は、それが当てはまらない事象が多々あることです。例えば、非営利組織の慈善団体や、米軍など、過酷な状況で働かざるを得ませんが、報酬は民間部門より少なくなります。彼らを動機づけているものは何か。それを説明するのが、動機付け理論です。真の動機付けとは、人に本心から何かをしたいと思わせることです。

動機付け理論は、二つの要素に分けられます。一つが、衛生要因です。この名称は、衛生状態が悪ければけんこうをそこなうが、衛生状態が良くても、健康が増進されるわけではないことからつけられました。具体的には、ステータス、報酬、職の安定性、働く条件、企業方針、管理の方法などがあります。衛生要因が満たされないと、不満を感じます。この理論では、報酬は衛生要因に含まれます。報酬を上げても、その仕事をすぐ好きになるわけではない、嫌いにならなくなるというレベルだ、ということです。

動機付け理論のもう一つの要素が、動機付け要因です。具体的にはやりがいのある仕事、他社による評価、責任、自己成長などが含まれます。自分が仕事に有意義な貢献をしているという自負は、仕事に内在する条件がもたらすものです。動機付けは外からの働きかけや刺激はほとんど関係なく、自身の内面や仕事内容に関係が深いという視点です。例えば、自分にとって本当に意味がある仕事、興味深い仕事、職業的に成長できる仕事、責任や権限の範囲を拡大する機会を与えてくれる仕事など。こうした要因が仕事への愛情を生み出といいます。

HBSの卒業生は、次のような思考を経ることが多いようです。

「意義のある仕事や、心から愛せる仕事をしたらどうだ?そのためにここに来たんだろう?」→「なあに、心配するな。たった二年ほどのことだ。ローンを返済してふところ具合が良くなったら、本当の夢を追いかけるさ」という形です。こうして、投資銀行コンサルタントなど聞こえのいい仕事に就くようです。しかしその結果、罠にはまるといいます。つまり、経済的に安泰な暮らしを手に入れた後は、何かと理由をつけて本当に情熱を傾けられる仕事を探すのが先送りにされるということです。そしてその間にも収入は上がる。その水準になれた家族にとって、元の暮らしに戻るのは困難になる。このように、真の動機付け要因ではなく、衛生要因につられて仕事を選んだ結果、罠から抜け出せなくなるといいます。

まとめると、金銭、ステータス、報酬、職の安定といった衛生要因は、ある一定水準を超えると、仕事での幸せを生み出す要因ではなく、幸せがもたらす副産物にすぎなくなる、ということです。

以上が、「どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるか」におけるポイント①戦略を持ち、②動機付けを正しく理解し、③望む目標と予期されない機会とのバランスを図ること、④そしてこれに応じて自身の資源配分を実際に変えていく、のうちの①と②でした。次回③と④について説明します

今回は以上です!

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