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【株価・基礎情報】高配当デューク・エナジー(DUK)はまだ増配余地ありだが、大きな株価上昇見込みづらい【銘柄分析】

今回は、高配当・連続配当企業Duke Energy(DUK)の銘柄分析です。

デュークエナジーは、米中西部など米国内で展開する電力会社です。米公益企業としては最大規模の売上を有します。配当利回り3.8%と高配当、また95年連続配当の企業としても有名です。

結論としては、「展開地域でデカップリングメカニズム採用のため、安定収益が確実。配当性向75%で増配余地あり。ただしPER57倍のため、調整局面で買付」します。主なポイントは以下です。

・売上高は2020年23,868百万ドル。2008年以降、年率5%で増加。営業利益率は19%~25%で推移。営業CF年率8%成長

・展開するノースカロライナ州サウスカロライナ州などで「デカップリングメカニズム」(電力会社の安定的な収益確保のために、販売電力量と収益を連動させない制度)が採用。今後も安定収益が確実

・近年、環境負荷低減に向けた投資を積極的に実施(2017年メガソーラー事業買収等)。2030年に再生可能エネルギーによる発電3倍増を目指す

・ネットDEレシオは一倍超えるが、2017年以降は上昇スピード鈍化。大きな懸念なし

・配当性向は75%。EPSは成長基調であり、今後も増配余地あり

・トータルリターンは、S&P500、フィラデルフィア公益事業セクター指数をアンダーパフォーム

・PER(株価収益率)57倍と高いので、買付タイミングは注意が必要 

以降で詳細を見ていきましょう。

目次

指標

主な指標は以下です。特徴は、95年間配当を続けている点です。連続増配は16年、配当利回り3.88%です。

・株価: 99.51ドル

・PER:57.19倍

・EPS:5.4ドル(Earnings per Share:一株当たり利益)*直近4四半期合計

配当利回り:3.88%

・年間配当額:3.86ドル

・配当支払月:2、5、8、11月

・連続増配年数:16年(95年連続配当)

Nasdaq HP、Duke Energy HPより)

業績

売上高は2020年23,868百万ドルで、2008年から年率5%で増加しています。営業利益率は19%~25%で推移しており、安定的です。

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Duke Energy IR情報を基に作成

また、展開するノースカロライナ州サウスカロライナ州などで「デカップリングメカニズム」により売上が変わってきます。ですので、基本的に今後も安定的に推移することが見込まれます。

*電力会社が安定的な収益確保のために、販売電力量と収益のデカップリング(連動させない)する制度。主に、省エネインセンティブの阻害要因を排除するために導入される

事業セグメントは以下です。

・Electric Utilities and Infrastructure:電力供給・インフラ事業

・Gas Utilities and Infrastructure:ガス供給・インフラ事業

・Commercial Renewables:再生可能エネルギー事業

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Duke Energy IR情報を基に作成

売上は電力事業が91%と大半を占めます。電力事業では、6州・790万の顧客に電力供給を行っています。発電方式は、天然ガス・石油が42%、石炭が33%、原子力が17%です。また顧客は、住宅と産業向けなど分散されています。

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Duke Energy IRより

ガス事業は売上構成比7%ですが、強化中です。5州・160万の顧客に供給しています。こちらは、2016年からは、年率17%で拡大しています。ガス事業も顧客は分散されています。再生可能エネルギーは、19州で展開し、風力と太陽光が半々程度です(参照元

 

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Duke Energy IRより

キャッシュフローを見ると、営業CFは年率8%で成長しています。

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Duke Energy IR情報を基に作成

一方、フリーキャッシュフローは、2016年以降マイナスです。電力事業はもともと、発電設備や送電網の維持など、設備投資が大きい事業です。それに加え、継続的に環境負荷低減に取り組んでいるためです。

例えば、2030年までに石炭火力発電を5~7割削減するとしています。また、2016年には、天然ガス事業者のPiedmont Natural Gasを4.9十億ドルで買収しています(参照元)。さらに、2017年にはメガソーラ事業を買収しています(参照元)。これらを通じて、2030年には再生可能エネルギーによる発電を3倍にするなど、ESGトレンドに沿った取り組みを進めています。

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Duke Energy IRより

また今後も、25年までの設備投資を590億ドルとし、25-29年では650億ドル~750億ドルを計画しています。ただ、投資するだけでなく、収益も2029年までに最大年率7%で拡大させる、としています(上記IR資料Earnings Base欄記載)。

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Duke Energy IRより

前提として、そもそも競合が容易に参入できる業界ではありません。また、電気料金の値上げなども当局承認がいります。ですので、諸所のコストをカバーするのに合理的な範囲は可能ですが、大幅な利益増を目的とした値上げはできません。ただ、過去は燃料代上昇の価格転嫁など実施できてきており、継続的に安定的な収益増を実現してきています。そのため、経営陣が掲げる成長率が実現できるかは要注視ですが、少なくとも安定的な成長が見込めると考えます。

投資が大きいので、念のため安全性を見ます。

有利子負債残高は、2016年以降右肩上がりで、2020年64,076百万ドルとなっています。ネットDEレシオ*を見ると、2014年から一倍を超えていますが、2017年以降は上昇スピードが鈍化しています。財務健全性に大きな懸念はないと考えます。

*ネットDEレシオ:財務健全性を測る指標。(有利子負債―現預金)÷自己資本

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Duke Energy IR情報を基に作成

格付け会社のMoody’sとS&PのFFO*/有利子負債を見ると、同業他社と比較して安全性が高いとの評価になっています。

* FFO(Funds from operations):運転資本増減調整前の営業キャッシュフロー

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Duke Energy IR情報を基に作成

配当・株価

配当は年率3%で増加しています(近年は16年連続増配)。EPSも概ね成長基調であり、2020年は配当性向75%とまだ増配の余地はあります。

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Duke Energy IR情報を基に作成

今後は、短期的にはコロナからの経済正常化、中長期的には米国のクリーンエネルギー投資などが追い風です。それにより、EPSは継続的に成長可能とデュークエナジーの経営陣は考えています。

またリスクとしてさらっと書かれていますが、悪天候やハリケーンなどがあります。デュークエナジー原発も有しています。ですので、福島原発のようなことがゼロではないことは認識しておく必要があります。ただし、サザンカンパニー(SO)のような大きな追加コストのリスクは低そうです(過去記事)。

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Duke Energy IRより

直近は、同社最大規模の原発について、運転期間の延長申請を行っていく方針です。それが認められれば、20年間運転が可能となります。原発は、発電コストが低く、また石炭火力依存の低減に必須と位置付けています。ですので、この承認にかかわる動きはウォッチが必要と考えます。

トータルリターンでみると、過去5年はS&P500に対してアンダーパフォーム、また、フィラデルフィア公益事業セクター指数に対しても後塵を拝しています

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Duke Energy IRより

まとめ

公益企業であり、新規参入などない業界であることから、今後も安定的な収益増が見込めます。特に短期的には経済活動の再開や、中長期的にはクリーンエネルギーへの転換といったマクロトレンドが、成長機会となります。

配当は年率3%で伸びており、配当性向75%、またEPSも成長しています。そのため、今後の増配余地もあると考えています。

株価リターンはS&P500やフィラデルフィア公益企業指数に劣ります。大きな株価上昇のアップサイドが見込める企業ではありませんが、安定的な事業であり、財務的にも問題なし、かつ配当利回り3.8%は魅力です。そのため、ポートフォリオに組み込むのはありだと考えています。

ただ、PER(株価収益率)が57倍と高いので、買付のタイミングは気を付けた方がいいでしょう。私は、利上げ議論に伴う調整局面での購入を検討していきます。

ちなみに、同業他社では、過去コンソリデーテッド・エジソン(ED)とサザンカンパニー(SO)を取り上げています。私の中では、EDが優先順位が高く、次いでデュークエナジー、その次にサザンカンパニーと考えています。理由は、配当利回りが高く、かつ事業リスクが低いのがEDだからです。デュークエナジーは、配当ではサザンより見劣りしますが、事業リスクと増配余地を考えると、デュークエナジーの方が優先度が高いと考えています。

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今回は以上です!

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