Mikeの投資ブログ

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【50年連続増配・配当利回り5.5%】ユニバーサル(UVV)│でも、コモディティビジネスで将来性なし

今回はユニバーサル(Universal Corp:UVV)の銘柄分析をします。

過去記事で、2045年までに、子育てをしながら無理なく1億円をためることを目標に掲げました。その中で、高配当銘柄の保有比率を高める必要があるとの結論に達しました。

そこで前回は、米たばこメーカー大手のアルトリア(MO)を取り上げました。今回は葉っぱつながりで、50年連続増配のユニバーサル(Universal Corp:UVV)を検討します。

ユニバーサルは大手のたばこ商社です。主に、タバコ葉の栽培、加工、梱包、貯蔵、輸送などを行います。また近年、食品材料事業へも参入しています。

 

今回の結論は、「魅力あまりなし。もし株価が暴落した場合、3~5年での売却を前提に配当目的で購入することは可能だが、基本は買わない」です。理由は、

・たばこ市場の縮小が加速し、事業成長余地は小さい。そのため、長期視点保有はできない

・ただし、規制業界でおいしい思いをする大手たばこメーカーからの売上が75%を占め、当面キャッシュを生み出せる

・株価は、近年参入した食品材料事業が立ち上がり、成長軌道に乗らないと、長期的な上昇は見込めない

・とはいえ、連続配当50年、配当利回り5.5%は魅力

・もし、PER2~3倍などまで超暴落した場合、3-5年での売却前提で購入することがあるかも

 

たばこのため諸々の懸念などを挙げながらも、連続配当・高配当のため買いを推奨する記事当を見かけますが、長期保有はお勧めできない銘柄だと考えます。以降でその理由を見ていきます。

主な指標

主な指標(2021年6/3時点)は以下です。特徴的なのは、配当利回り5.5%、連続増配年数50年です。

・株価: 58.74ドル

・PER:16.37倍(Price Earnings Ratio:株価収益率)

・EPS:3.53ドル(Earnings per Share:一株当たり利益)

配当利回り:5.5%

・年間配当額:3.08ドル

・配当支払月:1、4、7、10月

・連続配当年数:50年

Nasdaq HPより)

業績

売上高は2021年3月期で1,983百万ドル、営業利益率は8%でした。2009年からの推移でみると、売上高は年率-2%で下降、営業利益率も下降トレンドです。

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Universal Corp IR情報を基に作成

フリーキャッシュフロー(FCF)*は、2020年3月期で134百万ドル。2016年3月期から見ると年率7%で下降しています。さらに直近3年で見ると、年率14%と著しく減っています。

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Universal Corp IR 情報を基に作成

*EBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)から設備投資を引いて算出したFCFを、ユニバーサルが公開しているため、そちらに準じます。EBITDAは、国ごとの金利や税率が異なる中で、比較可能な形でキャッシュフローを簡易的に示す利益の考え方です

 

業績下降トレンドの主な要因は、たばこ市場の縮小です。

ユニバーサルの売上高は、アルトリアと異なり、全世界が対象です。それでも、世界のたばこ市場規模は、数年前にピークを迎えてから減少傾向にあります。そのため、たばこ事業を主軸とする限り、この状況を打開するのは困難です。

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Universal Corp IR 情報を基に作成

というのも、ユニバーサルは、既に世界のたばこメーカー大手を顧客としているからです。世界の大手6社(中国煙草、フィリップモリス・インターナショナル、ブリティッシュ・アメリカン・タバコJT、インペリアルブランズ、アルトリアグループ)が、売上高の75%を占めています。そしてこの6社は、世界のたばこ市場シェアで84%をおさえています。

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Universal Corp IR 情報を基に作成

ですので、新規顧客開拓などで競合からシェアを奪っても、大した売上向上につなげられません。むしろ、投じるリソース/コストに対して、リターンが小さいといえそうです。そのため、たばこ市場とともに沈んでいくユニバーサル、といった感じです。

 

また重要な構造的課題として、ユニバーサルが扱う商材がコモディティという点があります。たとえ健康志向が加速し、たばこ消費量が減っても、アルトリアなどのたばこメーカーは打つ手があります。例えば、単価を上げる、健康への影響が少ないニコチン関連製品を開発するなどです。それは、マルボロなど、顧客に浸透し、ロイヤリティを得たブランド力があればこそできる話です。

一方のユニバーサルが扱うのは、主に葉っぱです。はい、コモディティです。

また葉っぱを取り巻くサプライチェーン関連(加工や貯蔵など)でも、差別化は困難です。当然、そこでのイノベーションを追うような投資もしていないように見受けられます。実際、ユニバーサルの投資家向け資料では、この点について「次世代たばこが開発されているが、不透明です。以上!」という内容になっています。

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Universal Corp IR 情報を基に作成

初見では「え?それだけ?やる気あるの?」とあっけにとられますが、よく考えてみれば仕方がないかもしれません。1918年創業の老舗で、優良顧客に乗っかることで収益を上げてきた事業であり、革新的な開発などを追及する企業ではないのです

 

そこで、今後のユニバーサルの取り組みの方向性は、大きく以下の二つの方向があります。

・たばこ事業でのコスト削減

サプライチェーン効率化によるコスト削減です。たばこ消費量減少で規模の経済が効きづらくなっていく中で、いかに低コストでディストリビューション、加工、サービス提供を行うかです。それが、営業利益を今の水準に維持できるかに影響します。

・非たばこ事業の強化

既に取り掛かっている、食品事業の強化です。2020年1月に野菜・フルーツの加工を行う米企業FruitSmartを買収しました。たばこからのとてもヘルシーなシフトで、個人的には方向性はとてもいいと感じます。というのも、アルトリアの場合は、たばこ→大麻だったので、、、笑

また、Silva Internationalというドライフルーツ・野菜加工を行う米企業を同年10月に買収しました。

業績トレンドを見ると、若干取り組みが遅いのでは、と感じますが、将来への仕込みをやらないと沈没するので、必要なアクションだと思います。

ただ、問題はこれら事業や今後の更なる多角化の業績寄与度です。2021年3月期の業績ベースでは、食品材料事業は全社売上の7%程度のようです。そのため、まだまだたばこの次を担える状況ではありません。その意味では、食品材料事業の立ち上がり状況を見ながら、投資検討をすることが重要です。

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Universal Corp IR 情報を基に作成

配当

50年連続で配当を続けています。

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Universal Corp IR 情報より

ただ、上述のように近年の業績下降トレンドの中で増配を続けてきています。ですので、配当性向*は86%まで高まっています(下図。参照元)。そのため、非たばこの成長の柱ができ、安定したキャッシュ創出ができるまでは、増配余地は限られるでしょう

*配当性向:利益をどれだけ株主に配当するかの割合。配当性向(%)=1株当たり配当額÷1株当たり当期純利益×100

 

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Seeking Alpha記事より

今後の展望

見てきたように、たばこ市場の縮小とともに、ユニバーサルの利益も減少します。そのため、長期保有は基本出来ない銘柄と考えます。

食品材料事業が立ち上がり、下降トレンドのキャッシュフローを増加に転じさせるレベルに成長する見込みが立てば、状況は変わってくるかと思います。

ただ参入は近年ですので、その状況はすぐには訪れないと考えます。もし積極的にその他食品材料事業への投資を進めるにしても、これまでたばこ大手と良好な関係の下で、安定した収益を長年積み上げてきたような企業に、そう簡単に食品材料業界の競争に勝っていけるかは疑問です。

ですので、ユニバーサル株は基本的に買いませんが、もし株価が暴落した場合には、3-5年での売却を前提に買えなくもないかもしれません。ただ、その際は暴落理由と、食品材料事業の状況を、しっかりと確認する必要がありそうです。

ちなみに、近年のPER推移をみると、2009年6月30日のPER3.76倍が底のようで、それ以降は4倍程度を推移し、2014年ころ10倍を超えました。2020年12月末で18倍程度です。もし買うとしたら、PER2~3倍程度まで暴落しないと安心して保有できないと、個人的には感じています。

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Macrotrends.netより

今回は以上です!

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