Mikeの投資ブログ

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リバモアから学ぶべきこと。『欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア』【書評】

今回は、『欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア』をご紹介します。

本書は、伝説の投機家といわれるジェシー・リバモア(1877-1940年)の半生を描いた小説です(一人称の語りで、リバモア本人による作品に見えますが、ウォール街ジャーナリストの長老といわれたエドゥイン・フェーブルが書いています)。以下あらすじです。

バモアは中学卒業後、証券会社の相場ボードに数字を書きつけていく仕事につきました。もともと数字に強く、暗算が得意だった彼は、株価の上昇局面と下落局面で決まった動きを見せることに気が付きました。そして、自ら合百(市場外で相場の当落を当てる賭博)に出入りしはじめ、勝ちを重ねていきました。あまりにも勝ちすぎるため、全米中の合百からも出入り禁止にされるほどでした。

そこから、ニューヨークに飛び立ち、投機を始めますが、6か月しないうちに破綻します。その後の人生では、富を得ては破綻するといったことを繰り返しました。そうした中で相場で名をはせるようになっていきました。

売買の金額も大きくなり、市場での存在感も大きくなりました(1929年9月4日、世界恐慌を招いた暗黒の木曜日10月24日、リバモアの大量売りのポジションに対し、ニューヨーク市場が暴落し崩壊しかねないと、J・P・モルガンがリバモアにこれ以上の売りは行わないよう要請するほどでした。リバモアは、それに従い買いに回ったことで、現在価値でおよそ4,000億円超の利益を上げたといわれます) 

最終的にリバモアは、4度破産し、63歳の時にピストルで自殺しています。本書では、リバモアの投機歴を生々しく振り返りながら、教訓を記していきます。本書には相場に関するたくさんの名言がちりばめられており、その後何世紀にもわたり読み継がれている古典ともいわれています。

 

 以降、リバモアの名言をいくつか引用し、ご紹介します。

・「相場で生計を立てていくつもりであれば、自分を、自分の判断を信じなければならない。この信条ゆえにおれは他人の情報を信用しないのだ。他人の情報によって株を買ったなら、売るときもその情報に従わねばなるまい。そんな具合に頼っていたら、ちょうど売り場になった時に、その男が休暇で不在だったとしたらどうすればいいのだろう。他人の言葉に従っている限り、大金を手にすることなどかなうわけがない。」 

・「すべきでないことを学ぶには、持てるものを一切合切失うというのが一番だ。金を失わないためには何をすべきでないかがわかった時、相場で勝つのに何をすべきかということがようやくわかり始めるのだ。」

・「ウォール街で長年浮き沈みを経験したものとしてこれだけは断言できる、おれが大きく儲けられたのは、決しておれの頭脳によるのではなく、相場に腰を据えてじっくりと居座ったからなのだ。(中略)彼*は自分の信念の通りに行動する勇気のみでなく、むやみに手仕舞わない賢明な辛抱強さを兼ね備えていた」

*合百に居合わせたパートリッジという老人。利益が出たらすぐ確定するような取引ではなく、相場を見極め、辛抱強く売りのタイミングを待つのがベストだとして、その方針を貫いていた。

・「相場が狭い範囲で上下する、値動きの小さい相場では、上昇にせよ下落にせよ、次の大きな動きがどうなるかを予想するのは意味がないということだ。こうした状況で大切なのは、相場をよく観察し、テープの情報から停滞の限界を把握し、その上限下限をブレークして相場が動くまでは手仕舞いしないことを肝に銘ずることなのだ。」(*1)

・「相場からの儲けで何かを買おうという魂胆をもって損した例は枚挙に暇がない」(*2)

・「投機家の最大の敵は、自分のなかにいる。人間の本性として、人は希望と恐れとは無縁でいられない。投機の場合、相場が思惑に反して動くと、人は大小の財閥を築くことができるような能力がある自分たちにとって、今日こそ運の悪い最後の日であってほしいと願う。そして結局、こうした望みを排除していれば免れたはずの損失を被る羽目になるのだ。そして逆に相場が思った通り推移すると、今度は翌日には流れが逆転し含み益がふいになるのでは、という恐怖にかられ、期を待たずに手仕舞う。恐怖のために、本来もっと儲けられるはずのチャンスを逃してしまうのである」(*3)

・「情報を求める者はある種の依存症のようなものだとおれは思う(中略)。情報はどうしたら幸せになるかを仔細に指図してくれるのでそれに盲従するのも容易だが、そうしたところで自分が本当に望むことは実現しない。情報を求める姿勢は、欲望からというよりも自分の頭で考えたくないという甘っちょろい態度からきている」

・「観察、経験、記憶、数学―トレーダーとして成功するかどうかはこうした資質に依存している」

・「どうやって儲けるかを決断すると同時に、損をしないように努力することも重要だ。「何をしてはいけないか」を知ることは「何をなすべきか」を知るのと同じくらい重要である」

バモアは投機家ではありますが、「株式市場で儲ける」ということに対して、上記*1、*2、*3で語られる言葉は、一般投資家にも通じるものがあると感じます。つまり、「小幅な値動きで売買して小さく儲けるのではなく、上限下限にブレークするのを辛抱強く待つことが重要」とのメッセージです。

ちなみに私は、早めに手仕舞いするという失敗が多々あります。あるあるではありますが、二つご紹介します。

・失敗例1:昨年2020年、コロナ後の値下がり時に仕込んだ投信を、米大統領選開票のタイミングで8割がた3-5%の利幅で利益確定してしまった(上記*1と*3に該当)

・失敗例2:昨年末、ららぽーとでシックスパッド(SIXPAD)*を妻と体験し、株式収益での購入を決意。上昇局面にあったセブン&アイホールディングス株と日本株ETFをシックスパッド価格分の10万円程度で利益確定(上記*2に該当)

*SIXPADは、電気の力で筋肉を鍛える器具

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PR Times記事より

二つ目などは特におバカな例ですね。別に自分の財布から10万円出してシックスパッドを買えばよかったわけです。そして株とETF保有を続けていれば、今はかなり上がっていたのですが。。。(セブン&アイだけで20万以上の利益をみすみす逃しました)

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Googleを基に作成

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大和アセットマネジメントHPより

大金を動かしていたリバモアは、当然こんなスケールの小さなお話をしているわけではありません。ただ、多数ある本書のメッセージの中で、しがない個人投資家でも参考になる身近な教訓として、私の心に刻まれました。。。

今回は以上です! 

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