米雇用統計、予想を下回り、緩和縮小懸念が後退
4月の米雇用者数が発表されました。予想を上回る増加であれば、量的緩和の縮小に関する議論が前倒しされる可能性がありましたが、杞憂に終わりました。
市場予想97.5万人 に対して、26.6万人でした。
期待外れの数字となり、改めてコロナ禍での労働市場の厳しさを示しています。要因としては、企業が人手を獲得するのが難しい状況があるようです。背景には
・手厚い失業手当が仕事復帰を妨げている
・子育て世代が育児で在宅を強いられている
・原材料不足が製造律速となっている
があるようです(参照)
この結果を受けて、ミネアポリス連銀総裁は以下のように述べました(参照)
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今回のデータは米金融当局が刺激措置を継続している理由を正当化すると指摘。「この日の雇用統計はわれわれの道のりが長いことを示す一例だ。尚早に勝利宣言してはならない」
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つまり、量的緩和の縮小議論が、この段階で前倒しで実施されることはなさそうです。
米長期金利は、雇用統計を受けて1.47%まで低下しましたが、その後経済回復の見方から切り上げ、1.58%となって終了しました。
株価は、ダウ+0.66%、S&P500 +0.74%でともに最高値、ナスダック+0.88%で終えました。
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米雇用統計、現地時間5/7に発表される。市場予想97.5万人を超えるか
4月の米雇用統計が、米国現地時間5/7に発表となります。その結果次第では、量的緩和の縮小に関する議論が前倒しされる可能性があり、株価に影響するので注視しています。
4/27・28の米連邦準備制度理事会(FRB)による連邦公開市場委員会(FOMC)では、米経済の回復が進む一方、依然としてコロナによる失業者が多い中では、量的緩和縮小の議論は時期尚早と述べました(5/3記事「FOMC、緩和維持。ただ、夏にかけて急落の可能性に注意」)
ダウ平均が最高値を更新するなど株高ではありますが、雇用環境はまだ十分に回復していませんでした。ただ、以下のように、今年に入ってからの非農業部門雇用者数は、着実に増加してきました。そして、4月の市場予想は97.5万人となっています(楽天証券記事参照)
ちなみに、5/5発表の民間の雇用統計(ADP雇用データ)では、+74.2万人でした。予想の+80万人)には届きませんでしたが、増加トレンドは継続しています。
5/6公表の新規失業保険申請件数は、49万8000件でした。市場予想は54万件でしたので、それは下回っていますが、前週59万件からは改善しています。しかし、健全な水準といわれる20~25万件は大きく上回っています(ロイター記事)。ですので、コロナによる財政刺激策で労働市場が回復してきているとはいえ、依然として状況はよくありません。
基本的には、4月の雇用統計を受けても、先日のFOMCによる「量的緩和縮小の議論は時期尚早」というスタンスから大きな変化はないと推測します。ただ、そう遠くない金融政策正常化に向け、引き続き経済指標を注視しながら、対応を検討していきたいと思います。
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【夏にかけて相場急落可能性】FOMC、緩和維持。ただ、夏にかけて急落の可能性に注意
米連邦準備制度理事会(FRB)は、27・28日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、政策金利の据置きと債券購入プログラムの購入額維持を全会一致で決定しました。
米国経済の力強さは増しているとする一方、コロナの影響でいまだ失業者が多数いる中で、量的緩和の縮小について議論するのは早すぎると強調しました。
金融市場ではおおむね想定通りで、S&Pは小幅安でした。
一方、ブルーンバーグの調査では、エコノミストの3分の2は、FOMC予想より早く、年内に緩和縮小の初期の警告をすることになるとの見方もあります。
早くて7月、または9月のFOMC、8月末に予定されているジャクソンホール会議*でテーパリング**計画が示唆される可能性を織り込み始めたということです。夏にかけて、テーパリングの協議が進む可能性があり、FRBがこのような憶測をぬぐえるのかがポイントです(FISCO「NYの視点:FOMCも夏にかけてテーパリング協議過熱するとの見方」)
*カンザスシティ連邦準備銀行が米国ワイオミング州のジャクソンホールで毎年8月に開催する経済政策シンポジウムのこと。世界各国から中央銀行総裁や政治家、学者などが参加し、世界経済や金融政策について議論を交わす(野村証券より)
**量的緩和の段階的縮小
もし7月投資家がテーパリングを織り込み始めると、株価が急落する可能性もあります。今年の夏は、注意が必要そうです。
もし急落すれば、割高感があって手を出せなかった銘柄にチャレンジしてみたいと思います!
ちなみに、市場サイクル分析の名著に関する記事も書いているので、よろしければご参照ください!
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プロと同レベルのリターンを得る方法。『ウォール街のランダム・ウォーカー』【書評】
今回は、ロングセラー『ウォール街のランダム・ウォーカー』をご紹介します。
著者は、ウォール街の投資銀行でのアナリストや、投資信託会社の社外取締役を経験したうえで、大学教授の立場から、個人投資家向けの投資方針案を説明します。
タイトルの「ランダム・ウォーク」とは、「過去の動きからは、将来の動きや方向性を予測することは不可能で、株価についても同様」という意味です。だからむしろ、市場の銘柄にランダムにダーツを投げるようにしても、プロの機関投資家と同様かそれ以上のパフォーマンスが得られる、と主張します。
そのため、結論としては、インデックス・ファンドのバイ・アンド・ホールド(買ってただじっと待っているだけ)戦略を推奨します。それがどの投資戦略・アプローチよりも安定してリターンが高いことを、分析・研究結果等交えながら説明していきます。
かいつまんで概要説明すると、以下のようになります。
株式投資の分析アプローチ
株式投資のための分析に、「ファンダメンタル(本質)価値学派」と「砂上の楼閣学派」(その一つがテクニカル分析)があるといいます。
「ファンダメンタル価値学派」は、株式の適正価値を測るものです。適正価値は、一株当たりの資産価値、利益と配当の期待成長率、金利、リスクなどによって決まります。しかし、情報や分析が正しくない、アナリストの間違い、市場は必ずしも完璧に効率的でないことから、必ずしもうまくいきません。
一方、「砂上の楼閣学派」は、本質価値を見出すのではなく、一般投資家の行動や希望的観測がどのように砂上の楼閣(バブルのような、群集心理により価格高騰が起こること)を作り上げるのかを分析します。そのアプローチの一つとして、テクニカル分析があります。ところが、これがうまくいかない理由として、結局コインを投げて表裏の確率が50%:50%であることに変わりないことや、結局トレンドが形成された後しか投資できないので、売り買いの好タイミングを失することなどを挙げます。
投資信託のパフォーマンス
結局、特定のファンドが一貫して市場平均を上回り続けることはできないというのが、過去実績を分析した著者の結論です。
アクティブタイプで銘柄を入れ替えても、結局のところ、将来を予測することができず、長期的にはうまくいきません。むしろ手数料など経費がかさむことがデメリットとなります。
当然リスクを取った方が、リターンは大きくなります。そこで、「バリュー」対「グロース」とか「小型株」対「大型株」などの属性にフォーカスした運用もあります。アクティブタイプよりも組み入れを抑え、経費率を低くするタイプ(本書では「スマート・ベータ戦略」)のファンドも、要は一種のアクティブ運用タイプと著者は見ます。
ただ、結局のところ、市場平均を上回るリターンを挙げているファンドも、追加リスクを取ってたまたまうまくいった結果と考えるべきだといいます。時価総額加重平均の市場インデックスと異なる銘柄や組み入れ比率を採用すると、ベータ*とは異なった種類のリスクを取ることになるのです。
*個別銘柄の株価が、市場全体に対し、どの程度敏感に反応して変動するかを示す数値です
行動ファイナンスの観点
行動ファイナンス学派によれば、投資家の非合理的な行動を数量化し、いくつかのパターンに分類することができるといいます。それによると、投資家の非合理的な行動をもたらすのは、以下です。
1自信過剰
2偏った判断
3群れの心理
4損失回避願望
行動ファイナンス学派は、それを理解した上で、投資家が規則性のある間違いを犯すことを利用し、冷静で合理的な投資家は市場平均に打ち勝てるはずだと主張します。しかしこれも正しくパターンを読むことは不可能です。
結論:ウォール街の歩き方
結論として、著者はウォール街の歩き方を三つに分類します。
1.思考停止型の人の歩き方
2.手作り型の人の歩き方
3.専門家任せの歩き方
一つ目が、著者が本書で推奨する歩き方です。いろんなタイプのインデックス・ファンドを買うだけで、あとはじっと待つだけで、簡単です。
二つ目は、ウォール街をジョギングしてあちこちを回り、気になった業種や国、地域を中心にめぼしい株を拾い集めるイメージです。大変な労力がかかりますが、面白味もある歩き方です。ただし著者は、安定的な長期リターンが難しいことから、大多数の投資家にはお勧めしないといいます。
三つ目は、プロの投資マネージャーを雇うやり方です。大半の個人投資家にとっては、積極運用の投資信託を買うオプションとなります。ただし、パフォーマンスがインデックス・ファンドのバイ・アンドホールドにかなわないか、よくても同じくらいなのに経費率が高いため、お勧めしていません。
本書は、1つ目を勧めますが、二つ目の個別株投資に対する挑戦者にも、有用なアドバイスを行っています。まず、成功のための4つのルールとして以下を挙げます。
1)利益成長率が今後5年以上にわたって市場平均より上の銘柄を買うこと
2)株価がファンダメンタル価値以上になっている銘柄には手を出すな
3)投資家が「砂上の楼閣」を作れるようなストーリーが描ける銘柄を探そう
4)なるべく売買頻度を減らすこと
2)は、本書で述べたように、株式の本質価値を正確に知るのは不可能です。ただし、株価がおおむね妥当かどうかの判断はできます。この場合、市場平均の株価収益率とほぼ同じか、あまり上回っていない成長株は、おおむね割安といえます。
ただし成長株は、既に株価にその成長が完全に織り込まれていることが多いです。そのような状況で、もし予測が実現せず、実際には利益が減少することになった場合、もしくは、単に予想よりも低い成長率で着地しそうというだけで、株価が下がる可能性があります。
それら踏まえ、銘柄選択のアドバイスは、「成長が期待でき、かつ低PERの銘柄を探すこと」とします。
3)を挙げている意図は、投資家(特に機関投資家)に受けがいい銘柄の方が、たとえ成長率が平均的でも、長期にわたって高い株価収益率で取引されることがあるためです。そのため、ある銘柄についてのストーリーが人々の心を掴めそうかを自問することが大事といいます。
まとめ
私は、「1.思考停止型の人の歩き方」だけではつまらないし、少しでも市場平均よりリターンを上げたいので、それに加えて「2.手作り型の人の歩き方」を実践しています。
具体的な運用は、月30万円を以下のように積み立てる方針です。
・インデックス型の投資信託(5万円/月)
・ETF(11万円/月)
・個別株(13万円/月)*積立は米国株のみ
・ビットコイン(1万円/月)
その結果、現状の運用成績は以下となっています(ビットコインは割愛)
個別にみると以下です。まず国内株です。
以下、米国株です。
以下、投資信託です。
配当目的で個別株に投資していますし、短期的に評価すべきではないですが、現時点での投資信託及びインデックス型ETFと、個別株の成績を比べると、結局VOO*、VTI**などのインデックス型が損益率10%以上と好調です。
* VOO(バンガードS&P 500 ETF):米国大型株など、S&P500全銘柄に投資するETF(上場投資信託)
**VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF):米国上場企業のほぼすべてに投資するETF
今後、個人的には個別銘柄の目利きを高めていきたいですが、著者のアドバイスの「1)利益成長率が今後5年以上にわたって市場平均より上の銘柄を買うこと」と、「2)株価がファンダメンタル価値以上になっている銘柄には手を出すな」については、素人には妥当性の検証が難しいところが多いです(私の日本株の成績などはその表れかと思います)
ですので、安定的に資産形成を行いたい方には、やはりインデックス・ファンドへの長期投資の検討をお勧めします!
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【VZ:21/1-3決算】Verizon、一株利益は予想上回る。通期見通しは据え置き
4/21、通信大手Verizonの2021年1-3月期決算が発表されました。
EPSは、予想1.29ドルを上回り、1.31ドルでした。
売上高は、予想324億5910万ドル、328億6700万ドルでした(前年同期比+3%)。
EPS通期見通しは、5.00~5.15と据え置きました。
決算発表後、株価は反落しました。8営業ぶりの反落で、0.42%安の58.14ドルでした。
では詳細を見ていきましょう。
決算概要
EPSは、予想1.29ドルを上回り、1.31ドルでした。過去四期も安定的に予想を上回ってきています。
売上高は、328億6,700万ドルでした(前年同期比+3%)。
営業利益7,401百万ドル(同+18%)、営業利益率は24%(前年同期比+3ポイント)でした。営業利益率は、20%以上で安定しています。
次に部門別売上高ですが、ベライゾンの事業部門は以下となっています。
・コンシューマー:一般消費者向け通信事業
・ビジネス: 通信サービス、ビデオ・データサービス、企業ネットワークやセキュリティネットワークサービスなど
部門別の営業利益に対する寄与度をみると、売上構成比・営業利益率ともに高いコンシューマー部門が重要となっています。
まず売上構成比でみると、コンシューマーが約7割、ビジネスが2割程度(2020年)です。
部門ごとの営業利益率は、コンシューマー33%、ビジネス12%で、コンシューマーが高くなっています。
このコンシューマー部門で売上高が前年同期比+4.7%、営業利益+3.3%となったことが、今期の増収増益に貢献しました。
背景には、同部門で売上73%を占める通話収入(下図の"サービス")が前年同期比+1.4%、18%を占めるワイヤレス端末販売が+24.1%となっているためです。
今後の見通し
2021年通期見通しは、売上高成長率が2%+、EPSは5.00~5.15と従来予想を据え置きました。
また設備投資も175億~185億ドルで据え置きました。
競争が激しい中で、いい滑り出しだとCEOはコメントしました。
しかし、据え置きとなった売上高の通期見通しが市場予想を下回ったため、決算後の2日株価は8営業日ぶりに反落しました。0.42%安の58.14ドルで終えました。
ただ、PERは13.5倍であり、依然として割安感があります。
また配当利回りは4%超と高いです。
以上から、私は今後もベライゾン株を買い増し・保有していく方針です。
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【PG:21/1-3決算】P&G、一株利益が予想上回る。65年増配
4/20、日用品大手P&Gの2021年1-3月期(第3四半期)決算が発表されました。
EPSは、予想1.19を上回り、1.26でした。
売上高は、予想179億7390万ドル、181億900万ドルでした(前年同期比+5%)。
EPS通期見通しは、5.52~5.63と据え置きました。
決算発表後、好業績を受けて株価は反発しました。前日比0.8%高の137.75ドルで取引を終えました。
では詳細を見ていきましょう。
決算概要
売上高は、181億900万ドル(前年同期比+5%)でした。営業利益3,785百万ドル(同+10%)、営業利益率は21%(前年同期比+1ポイント)です。
また、P&Gでは、オーガニックセールスとして、M&Aや為替影響を省いた指標も用いています。オーガニックセールスの成長率は4%でした。
次に、売上高の内訳を見ます。P&Gの事業部門は、以下があります。
・化粧品:化粧品など
・グルーミング:カミソリなど
・ヘルスケア:歯ブラシ、サプリメントなど
・家庭用品:布製品、洗剤、掃除用品など
・乳児・女性向け:オムツ、生理用品、ティッシュなど
売上構成比でみると、家庭用品が35%で最大、次いで乳児・女性向け25%です。この二つで、全社売上の6割を占めます。
2021年1-3月期では、最大の家庭用品部門において、北米及び中華圏で高価格帯の洗剤や掃除用品の売上高が伸びました(前年同期比+7.7%)。コロナ禍で家庭用品の需要が伸びているようです。
また、売上構成比としては18%ですが、高収益*の化粧品部門の好調さも寄与(同+9.3%)しています。
*ご参考までに、部門別の利益率は以下です。グルーミング(シェービング)と化粧品が高くなっています。
*ここでの利益(”Net Earnings”)はP&G社内評価用の指標です。いくつかの共通コストを反映していないため、最終利益とは異なります
今後の展望
今後の見通しですが、オーガニックセールスの成長率は、2021年度(P&G会計年度)で+5%~+6%です。
EPS通期見通しは、5.52~5.63と据え置いています。
(FY20 Core EPS $5.12に対し、FY21は+8%~+10%)
そして配当は、$3.24と増加を見込んでいます!結果、65年増配となります。
ちなみに、9月半ばからの米国販売製品の値上げを発表しました。樹脂・パルプなどの原材料コストや、商品輸送コストの上昇を受けての措置です。紙おむつや生理用ナプキンなど一桁台半ばの引き上げとなる見通しです。
値上げは、消費財メーカーのキンバリー・クラークも発表しています(こちら)。ですので、P&Gのみが値上げによりシェアを落とす、といったことにはならないと考えます。
以上見てきましたが、20%台の高い営業利益率を維持し、65年の増配を決めたP&Gは、今後も安定的な業績を出していくと考えています。ですので私は、長期保有目的での買付をこれからも続けていくつもりです。
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【JNJ:21/1-3決算】ジョンソン&ジョンソン、予想上回る好決算。増配も発表。
4/20、ヘルスケア大手、ジョンソン&ジョンソンの2021年1-3月期(第一四半期)決算が発表されました。
EPSは、予想2.34を上回り、結果2.59でした。
売上高は、予想219億80百万ドル、結果223億21百万ドルでした(前年同期比7.9%)。
2021年通期EPS見通しは、9.57となっています。
決算発表後、好決算を受けて株価は前日比5.08ドル高(+3.12%)の167.77ドルまで上昇し、3.79ドル高(+2.33%)で取引を終えました。
では詳細を見ていきましょう。
決算概要
EPSは、予想2.34を上回り、結果2.59でした。
過去決算でも、毎回アナリスト予想を上回ってきています。
売上高は、コロナの影響を受けた前年同期比に対し、+8%の223億21百万ドルとなりました。営業利益率は30%、営業利益6,648百万ドルで、前年同期比+14%と回復しています。
主な要因として、以下があります。
・売上構成比55%の処方箋事業が+10%(前年同期比)
・同29%の医療機器事業が+11%(前年同期比)
一方、事業セグメントによっては、前年同期比でマイナス成長となっています。
・売上構成比16%の市販薬・日用品事業は-2%(前年同期比)
理由は、買いだめで伸びたうがい薬などの反動減です。前年の伸びが一過性の要因ですので、今後の懸念はありません。
(グラフのカッコ内は、構成比)
今後の展望
今後は、医療機器事業で更なる成長が見込まれます。
というのも、2020年Q1は、米中の主要市場で、緊急性が低い外科手術が停止されていました。その状況が改善されて今回+11%ですが、更なる改善余地があるということです。具体的には、欧州や中南米など依然として手術件数低迷しているとのことです(ダウ・ジョーンズ米国企業ニュース「DJ-【コラム】米ヘルスケア業界ほぼ全快、J&J決算で鮮明」2021/4/21)
もともと、主力の処方箋など安定的に成長する事業(下記グラフ参照)ですので、それに加えて医療機器での回復が進むと、今後も好決算が期待できそうです。
ですので、私は今後も長期保有目的で買付・保有を続けていきます。
また決算では、59年連続となる増配も発表されました!手放す理由はないかと思います。
ちなみに、コロナワクチンの影響についての補足です。
ジョンソン&ジョンソンのワクチンは、血栓の生じる副作用があるということで一時接種中止がありました(米国では23日に再開が認められました)
ただ、そもそもコロナワクチンの売上高は1億ドル、総売上高の1%未満で、全社業績に影響はありません。
今回は以上です。
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